ボクには聞こえるんだ
キミの声が
いないはずのキミの声が
「周助」
今も聞こえるんだ
ボクを呼ぶ キミの声が
キミの声 (01.ボクの名前を呼び続ける)
キミが逝って、もう2年
高等部へ進んだボクは、相変わらずな毎日で今日も1人キミを想ってるよ
キミを忘れた日なんてないんだ
いつでも、どこにいたってボクには聞こえる
大好きだったキミの優しい声
放課後キミに誘われるようにして中等部を訪れた
初めてキミを見た校庭の桜の木の下
夢を語り合った中庭のベンチ
照れながら手を繋いで歩いた長い渡り廊下
初めてくちづけを交わした放課後の教室
抑え切れず無理にキミを抱いた体育倉庫
3年間キミと過ごしたこの場所には数え切れない程の思い出が眠っている
なに1つ変わらない景色の中で少し大人びたボクだけが異質なモノの様に思えた
どうしてキミはボクの側にいないのだろうか
キミはボクの名を呼ぶのに、キミはボクの呼びかけには答えてはくれないんだね
「」
何度その名を呼んだだろう
それでもボクはキミの名を呼ばずにはいられないよ
・・・キミは幸せだったかい?
たった15年の短い人生、そのうちのボクといた3年間がキミの人生にどれくらいの意味を持つのだろう?
答えを得るすべもなく、疑問符達は行き場を失った
すっかり辺りは暗くなり最後に懐かしいテニス部の部室を訪れた
よくキミはここでボクの部活が終わるのを待っていたよね
ボクを見つめるキミの優しい眼差し
その瞳に答えたくて練習に熱が入ったものだよ
こんなにボクを熱くさせた人はもういない
初めての恋だった
本当にキミが好きだったよ
キミが教えてくれたんだ・・・人を愛する意味・・・失う辛さ
陽だまりの様に優しくボクを包んでくれたキミだった
「周助」
幾度となく繰り返すボクを呼ぶ声
キミはこの広い空の向こうからボクを見ているのだろうか
「・・・ボクがボクの人生を終えるその時までキミは待っていてくれるかい?」
1人で歩く帰り道
そっとキミに問いかけてみたけれど、答えはなかった
ただ聞こえるのはボクを呼ぶキミの声だけ・・・
−Fin-
*あとがき*
管理人の自己満ドリームw
「抑え切れず無理にキミを抱いた体育倉庫」
いつかここんトコの話書きたいわ(萌)
(07.06.06)
photo by 空色地図/music by FINAL STAGE